概 要
- 以下の説明は通信やデータ保存機能を備えたTSをお使いの方が対象です
TSにUSBメモリー等への入出力機能があれば、メモリー媒体で GioLine pro とファイルデータの共有ができます。 - トータルステーションやデータコレクタとRS-232Cケーブル or Bluetootで接続し、相互にデータを送受信することができます
通信規格はシリアル通信は大変古い規格なので、最近のPCにはシリアル通信用端子(D-SUB 25ピンまたはD-SUB 9ピン)がないのが普通ですが、USB端子付のシリアル通信用変換ケーブルはまだ入手できます。
注意 すべてのトータルステーションとの通信は保証できません
古いですがユーザー様からご報告をいただいたメーカー・機種別の動作リストはこちら - APAフォーマット(正確には、(財)日本測量調査技術協会「APA・SIMAフォーマット」 Ver.02)に対応しています。測量機器メーカ独自のフォーマットには未対応です
- 観測データを受信することができますが、受信データから座標計算をおこなう機能は放射(3D)のみです。
通信ができなかった場合でも、トータルステーションのメーカー様への問い合わせは絶対にしないでください。通信ができない原因は100% GioLine pro 側にあります
通信条件の設定 (トータルステーション等の説明書に従って設定してくださいさい
USBメモリーでデータをやり取りする場合は通信条件の設定は不要です
A:通信ポート :COM1~COM6 (パソコンの取説、デバイスマネージャーで確認してください)
B:ビットレート :1200~38400 (TSの設定と同じビットレートを指定してください)
C:データビット :7 or 8 (通常「8」です)
D:ストップビット:1 or 2 (通常「1」です)
E:パリティー :なし or 奇数 or 偶数 (通常「なし」です)
F:設定した通信条件を略号で表示します
※通信条件の設定を間違えると送受信ができません。正確に設定してください
※TS側でACK/NAKの有り無しの設定がある場合は、必ず「有り」にしてください
※メーカー独自のフォーマットを指定しないでください
APA送信
APAフォーマットで GioLine pro の座標データをトータルステーション等へ送信します
送信されるデータは測点名と座標値です
J:データの送信を開始します。
通常、トータルステーションを受信待ちにした後でボタンをクリックします
K:送信される測点名を座標簿の点名にするか点番にするか選択します
※点名に英数字以外が使われているとトータルステーションでは受信できないことがあります
※点番順でデータが送信されます
APA受信
トータルステーション等からデータを受信します
A:APA受信(ACK/NAK有効)を開始します。通常、このボタンをクリック後、トータルステーション側で送信の操作をします
C:受信を中断したいときはこのボタンをクリックしてください
D:受信したAPAデータをそのまま記録簿へコピーします
E:受信したAPAデータをファイルに保存します
F:受信したAPAデータに含まれる座標データを座標簿に登録します
G:受信したAPAデータの個別データにデータ名を付けて記録簿に書き込みます
サンプル
無手順受信
ACK/NAKを無効にしてデータを受信します
無手順受信は文字化け等が生じる可能性が高いので、通常は使わないでください
トータルステーション側が無手順送信に未対応の場合は利用できません
B:無手順受信を開始します
C:受信を中断したいときはこのボタンをクリックしてください
APAファイルの読込
USB・CFメモリ等に記録されたAPAファイルを読み込みます
H:クリックすると読込ファイルを指定するダイアログが開きます
読み込んだデータは下部のエディタで確認できます
放射データの処理
放射の観測データを直接取り込んで座標登録まで処理する機能です
・0.5対回
・セット数:1
・読定数:1
・再測定:なし
※水平角は後視点でゼロセットし、求点までの夾角を時計回りに観測してください
放射の観測点は299点までしか対応していません
A:チェックすると、読み込んだ観測データの編集が可能になります。
B:クリックすると、放射(3D)のページが開きます。
全データは下記の通りです(このデータをエディタにコピペすれば動作確認ができます)
最初のブロックは
・基準点T-1に機械をSETして基準点T-2を後視、
・放射測量で13点観測し放射点T-3に機械を移動
・T-2を後視してT3から13点放射測量
をしたデータです。
—————————————————————-
A,01,Z,
D,T-1,,1.38,0,9911014,09:00,,\,
E,0,-,
F,T-2,,,r9001,000.0000,088.4640,,,,,000,,,,000,O,
F,T-3,,0.5,r9002,356.4115,089.1155,00051.040,,,,000,,00051.040,,000,,,
F,BA 1,,0.5,r9003,000.0515,089.0120,00053.040,,,,000,,00053.030,,000,9,
F,HA 2,,0.5,r9004,304.3325,089.3830,00027.130,,,,000,,00027.130,,000,X,
F,BA 3,,0.5,r9005,303.1940,089.3905,00027.490,,,,000,,00027.490,,000,),
F,BA 4,,0.5,r9006,306.5125,089.3700,00021.570,,,,000,,00021.560,,000,W,
F,BA 5,,0.5,r9007,012.2525,088.2725,00005.650,,,,000,,00005.650,,000,\,
F,MS 6,,0.5,r9008,012.5955,096.2835,00005.430,,,,000,,00005.400,,000,;,
F,MS 7,,0.5,r9009,020.5545,097.0315,00005.120,,,,000,,00005.080,,000,/,
F,MS 8,,0.5,r9010,023.3550,096.0935,00005.870,,,,000,,00005.840,,000,<,
F,BF 9,,0.5,r9011,018.1415,096.2230,00006.080,,,,000,,00006.040,,000,Q,
F,BF 10,,0.5,r9012,020.1435,091.3840,00011.790,,,,000,,00011.790,,000,D,
F,BFT11,,0.5,r9013,020.1905,090.5305,00013.830,,,,000,,00013.830,,000,3,
F,BFE12,,0.5,r9014,023.1315,089.3020,00050.170,,,,000,,00050.170,,000, , ここまでが1ブロック
D,T-3,,1.42,0,9911006,10:16,,Y,
E,0,-,
F,T-1,,0.5,r9001,000.0000,092.1150,,,,,000,,,,000,U,
F,BA 18,,0.5,r9002,045.2750,104.1230,00004.940,,,,000,,00004.790,,000,A,
F,HA 19,,0.5,r9003,138.0500,098.0320,00007.450,,,,000,,00007.380,,000,K,
F,AS 20,,0.5,r9004,208.4330,089.2850,00033.060,,,,000,,00033.060,,000,R,
F,AS 21,,0.5,r9005,177.0815,098.2155,00004.590,,,,000,,00004.540,,000,”,
F,AS 22,,0.5,r9006,177.0815,098.2155,00004.590,,,,000,,00004.540,,000,$,
Z,&,
—————————————————————-
最初の1ブロックの観測データが放射(3D)のページに転送されます
赤枠内の点名が座標簿に登録済みのときは、T1の後ろにカーソル
[放射(3D)へデータ書込]ボタンをクリックすると観測データが書き込まれます
青枠の器械点・方向点が座標簿に登録済みの時は、[計算]ボタンですぐに放射トラバース計算を実行できます
器械点などが未登録の時は入力します
[計 算]ボタンをクリックすると、座標が登録されます
同時結線しているので下図のようにプロット画面で確認できます
観測手簿の作成
「手簿作成(半対回のみ)]ボタンをクリックすると読み込まれたAPAデータに含まれる半対回データから観測手簿をExcel形式で出力します。下図はプリントのプレビュー画面です。手簿が作成されるだけの機能ですので、実用性はありません。
参考書籍
APA、シリアル通信共に古い規格のため参考書籍は少ないと思いますが、下記の書籍はTSの構造、シリアル通信、APAの通信プログラム等を解説している唯一の書籍です。
まだ古本が入手できると思います
ペンタックス測量機図書編集委員会 (編集)