ご注意
このページはアクセス数が多いのですが、その理由は公共工事の座標系は「世界測地系」と決められているためだとで思います。
このページでは補正係数の設定について解説していますが、世界測地系を扱う前提として現場にある既知点が国土地理院が設置した三角点等から導かれた「点」である必要があります(GPSでも経費がかかります)。
言うまでもありませんが任意座標系に補正は必要ありません。任意座標系に補正係数を掛ければ世界測地系に変換できる訳ではありません。
公共工事の施工側の方はコンサル等から受け取った設計の座標系を確認すると共に、例えば道路幅員が世界測地系上の幅員か、現場での幅員か確認すべきです。特に橋梁等の長大な構造物の支承位置が世界測地系の場合、現地での距離が座標点間距離と「差」生じます。現地での「実距離」で桁を製作しないと大変なことになります。ご注意ください。
世界測地系を扱う必要がある方は国土地理院のわかりやすい平面直角座標系等の資料をご確認ください。
本来ですと構造物等の工事目的物の寸法は現地での寸法のはずですが、世界測地系(平面直角座標系)で設計されていると、厳密に作れば作るほど完成寸法と異なるはずです。この件でコンサルの社員に尋ねたことがありますが、明確な説明はなく、(短距離なら)観測誤差内ですから・・・とのことでした。詳しく調べた訳ではありませんが、世界測地系と現地の座標系を同時に扱えるCADはAutoDesk社の製品だけではないかと思います。個人的にはそこまで厳密にする必要はないと思いますが・・・
基準点測量等に必要なる投影補正と縮尺補正の設定
補正計算は結合・閉合トラバース等の一部のプログラムが対応しています
補正係数は、「設定」の「基準点測量 基準値」で設定します。このページに入力された係数等は終了時に座標簿毎に保存されます
補正係数の意味や、他から入手した座標系が「平面直角座標系」か確認してください。座標系を誤ると長大な鋼構造物では無視できない誤差が生じます。くれぐれもお気を付け下さい。
任意座標系で測量をされている場合は使う必要はありません。
ここで設定した係数はメイン画面で確認できます。赤枠内をクリックすると、設定/基準点測量が開きます
座標系
- 平面直角座標系(19の座標系)の数値を入力します 地理院サイト
投影補正係数
- 投影補正をしないときは1を入力します
- 投影補正係数を直接入力するか、平均標高とジオイド高から計算します
観測地の平均標高を直接入力するか、座標簿の全座標のZ座標値の平均標高を求めます
ジオイド高を直接入力するか、国土地理院のジオイド高計算サイトで調べて入力します
縮尺補正係数
- 縮尺補正係数を直接入力するか、観測地のY座標から計算します
- 観測地のY座標を入力します
座標簿の全座標のY座標からY座標の平均を求めこともできま
平面距離の計算方法
結合トラバース等で「投影・縮尺補正」にチェックをすると、ユーザが入力した距離(水平距離)を下記の計算式で平面距離に換算します
平面距離 = 水平距離 × 投影補正係数 × 縮尺補正係数
平面距離は小数部3桁(四捨五入丸め)で記録簿に記載されますが、実際の計算は有効数字、フル桁(約15桁)で計算されています
記録簿に記載される平面距離の累計値は、フル桁の平面距離を使って算出しています。したがって、記載された平面距離を集計した距離と合致しないことがあります
逆放射トラバース等で「投影・縮尺補正をする」にチェックをすると、平面直角座標系で計算された平面距離を下記の計算式で距離(水平距離)に換算します
水平距離 = 平面距離 ÷ (投影補正係数 × 縮尺補正係数)
水平距離は小数部3桁に丸められます。丸め方は、ユーザの設定によります