概 要
- 線分の端点(A,B)の座標値、端点Aからの距離、線分からの距離(シフト量)を指定し、オフセット点を求めます
「オフセットの足」にチェックを入れると(デフォルトでチェック済み)、オフセット点から線分に下ろした「足」の座標点も同時に計算します
A-B間の距離(線分長)が0.1m未満の時はオフセット点を計算できません - シフト量(m単位)は、端点AからBを見た方向で、左側のシフト量にはマイナス符号を付けて指定します
- 線分の端点(A,B)の座標値、端点Aからの距離、線分からの距離(シフト量)を指定し、オフセット点を求めます
入力データ
- 線分の端点Aの座標値
- 線分の端点Bの座標値
- 端点Aからの水平距離(マイナス・延長点は不可)
- シフト量:左右はAからB点を見た方向です。左側の点の距離にはマイナスを付ける
- 「足」の座標値も登録する時、点名の後に付加する文字を指定します。デフォルトは[-b]です
- 点名、メモは入力しなくてもかまいません([Enter]キーの空打ち)
点名のAI入力が使えます
出力データ
- オフセット点の座標値
オフセット点の足(線分上):登録は選択可
- オフセット点の座標値
記録簿
- 線分の端点Aの座標値
- 線分の端点Bの座標値
備考の書式
- ofst (足も同じ)
座標簿上のポップアップメニューからの点入力
- 可能
プロット画面からの端点指定
- 可能
【参 考】
オフセット計算に限らず、座標計算全般にいえることですが、入力データと結果が一致しないことがよく起こります。
その「不具合」の原因を説明します(バグだとのクレームをいただくことがあるので)。
あくまで「初心者」の方のための説明ですので、お読みにならなくてもかまいません。
オフセット計算で、下図のように端点を指定し、赤枠内で指定したオフセット点を求めます。
[計算]をクリックすると4点計算されます。
「足」は同じ点が2重に登録されます。
図化画面で確認すると下図の「赤丸」が計算点です。
オフセット点と「足」を結線し、辺長を表示させると、10mで指定した点の点間距離が 9.999m になっています。
「足」(オフセット点から線分への垂線位置)を拡大すると、下図のように「足」が線分上にありません。0.3mm程度線分からずれています。
そのため、10mにならないのです。
また、線分A-Bの方向角とオフセット点と「足」の方向角の差も90度、270度ジャストにならないことがあります(バグではありません)。
補足説明
垂線計算、交点計算等、線分や曲線が対象となる座標計算では、多くの場合mm単位で求めた点は「線上」に存在せず、線の近傍の1mm方眼上に位置します。
線分、円曲線、クロソイド曲線が1mm方眼の交点上に存在する可能性はゼロに等しいため、交点がそれらの線形上に乗る可能性もほぼゼロです。1mm方眼は細かいと思われる方もいらっしゃるでしょうが、無視できない「量」です。
具体的に「誤差」が生まれる過程をオフセット計算を例に説明します。
- 端点Aからの距離で線分A-Bの内分点(足)を計算します。内分・外分は2点の座標値と距離を使って四則演算で算出できます(三角関数は不要です)。この座標値が「足」になります。足の座標値はフル桁です(mm単位ではありません)。
- 足から放射計算でオフセット点を求めます。オフセット点の「足」からの方向角は線分A-Bの方向角に90度or270度を加えた角度です。A-Bの距離が短いと「誤差」は大きくなります
- ここまでは計算はフル桁で実行されていますが、登録時に丸められます(通常は四捨五入でmm単位)。
この丸めが「原因」で入力値と「結果」に差が生じます。
バグではではありません