特殊結線

GioLine pro が埋蔵文化財や造園関係でも利用されているため、定型図形を既存の座標点に配置する機能を追加しました。
測量ソフトに必要な機能ではありませんが、作ってみたかったので搭載しました。
この図形(連続結線)を特殊結線と呼びます。
     

概要

    • 通常の結線は登録済みの座標点間に線を引きますが、特殊結線では指定された形状になるように座標値を計算・登録し、その座標点間に線を引くという処理です
    • 定型図形は四角形、円外接正多角形、星型(頂点が円外接)の3種類です(上図)
    • 登録済みの座標点を特殊結線の中心として作図・登録します
      同じ座標点に複数の特殊結線を配置できます
    • 作図済みの特殊結線の操作方法は通常の連続結線と同じように扱えます
四角形
      • 頂点数 :4
      • 辺 長 :0.004~999.999m (上辺長)
      • 高 さ :0.004~999.999m
      • 回転指定:時計回り(DD.MMSS入力)
      • 複数配置:5点まで(個別に回転角指定可能)
円外接正多角形
      • 頂点数  :3~96 (最低限にしてくだい)
      • 外接円半径:0.004~999.999m (辺長から半径を逆算する機能があります)
      • 回転指定 :不可
      • 複数配置 :5点まで (頂点数が多い時は1点ごとに作図してください)
星 形
      • 頂点数  :2~48(山側の頂点数)
      • 頂点・半径:0.004~999.999m
      • 谷 ・半径:0.004~999.999m
      • 回転指定 :不可
      • 複数配置 :5点まで (頂点数が多い時は1点ごとに作図してください)
共通仕様
      • 画面上では閉合結線ですが、始点と閉合点(本来は始点と同じ点番)が別の座標点になっているので、閉合結線ではありません。したがって線名・面積は表示されません
      • 登録線名は自動生成(F_時刻から生成した数字列)
        線名は結線ページの訂正で変更できます
      • プロットマーク(杭種)の指定可能
      • 線種、線色、線幅、線スタイル、辺長・方向角の表示設定の指定が可能(結線と同機能)
      • 入力データの保存・読込:可能
        コメント(漢字可・文字数制限なし)付加し、ファイル保存(全座標簿で共通利用)
        保存数に事実上制限はありません
      • 特殊結線の削除・更新は連続結線と同じです

画面の構成

     

上図の説明

:配置する図形の選択
:図形のサイズ等の指定
:設置座標点の点番(手入力orプロット画面で選択)設置点は5点まで
 プロット画面で選択が機能しない時は、[逆放射(プロット)]タブをクリックしてください
:四角形では配置点毎に回転角を指定できます。回転角は時計回り、DD.MMSSで入力します。なお小さな図形の場合秒単位の指定は無意味です。
:結線の線色等を指定します。通常の結線と同じです
[杭]を「非表示」に指定するとプロットマークが出力されないので、図形が「綺麗」に見えます
[辺長・方向角表示]のチェックを外すと、プロット操作画面の設定にかかわらず、辺長等が表示されません
:[作 図]ボタンで図化が実行されます。プロット画面が開いていればすぐに確認できます。なお、複数点への配置を指定したときは、約1秒間隔で作図されます。
①②④⑤の入力値を画面右上の[登録図形リスト]へ登録することができます。作図完了後にボタンが有効になります。コメントも記録できます(漢字可 文字数制限なし)

登録図形リストのページを開く


操作手順と処理内容

操作手順
      1. 設置する座標点を点番指定(プロット画面から選択可能)
        結果的に設置点の重複点が増えるが、特殊結線の構成点に指定点は含まれないので、特殊結線を削除(構成点も削除)を選択しても指定点は削除されません
      2. 特殊結線の形状・属性(線色等)を指定
        登録済みのリストから形状・属性の読込が可能(読み込んだデータの修正可能)
      3. [作図]ボタンをクリック
      4. リストに追加したいときは[登録]ボタンをクリック
        コメントを追加可能(漢字可 文字数に制限なし)
処理内容
      1. 設置する座標点と同じ座標値の点を登録
      2. その点を放射の器械点とし、指定された特殊結線の形状にしたがい、時計回りに特殊結線の構成点を登録
      3. 結線は、中心点(設置点)ー始点ー2点目ー3点目・・・閉合点(1点目)と結線します(始点と閉合点は同座標値ですが別の点として登録されます)
        したがって、4角形を登録した場合、中心点(対角線の交点)と始点と同座標の閉合点の4+2=6点が登録されます
        多角形、星型でも図形の頂点数+2点が座標のに登録されます
        始点と終点の座標の点番が異なるため閉合結線にはならないので面積は計算・表示されませんが、結線の訂正で構成点の1点目(中心)と結合点を削除し、結合点に始点の点番を指定すれば閉合結線に変わります。
      4. 頂点(始点)位置
        四角形 :右上部角
        外接多角:最上部
        星 型 :頂点の半径(山の半径に指定した点が最上部になる。谷を頂点にしたいときは山の半径に谷の半径を入力)
      5. 線名を自動生成し、結線データを保存
      6. 特殊結線の入力データを保存された時は template.dat を上書き保存されます(ファイル位置はGioLine.exeと同じ)

運用上の留意事項

  • 特殊結線を実行後、通常の結線ページ等に移ると、ペグマーク(杭種)がデフォルトの○になります
  • 四角形の辺長が短い(4mm程度)の時、作図された辺長が入力値と一致しないことがあります
  • 外接多角形と星型の半径が10mm程度以下の時、頂点数によっては同じ座標値が重複して登録されることがあります
  • 四角形の辺長・高さがmm単位で奇数の時、中心が0.5mmずれ、正確な中心に配置されません
  • 四角形のみ角度指定で回転させることができますが、回転後の辺長・高さが入力値と一致しないことがあります。下図では正方形(辺長 10m)を回転させていますが、15度の時は全ての辺長が10mになりません(距離:四捨五入指定)。これはバグではありません。
  • 外接多角形・星型の最大頂点数(96,48)で多数の特殊結線を多数配置すると、座標データ、結線データが膨れ上がり、PCへの負荷が大きくなります。場合によっては動作が不安定になる可能性があります。
    頂点数の多い特殊結線の配置は必要最小限にしてください。
    実使用の前に、テスト用の座標簿で問題が起きないかご確認をお願いします。

エラー

結線が1本も登録されていない座標簿で[特殊結線]タブを開くと下図のメッセージが表示されます。結線で結線を1本追加してください。

初めて「特殊結線」のタブをクリックしたときに以下のメッセージが出ます。
1個でも特殊結線のデータを登録すれば、次回からは表示されません。また、特殊結線の登録データは全座標簿で共通して使えます。

作図後にマウスカーソルをプロット画面に移動したとき等に、下図のエラーメッセージが表示される事があります。
対策:プロット画面を一旦閉じ、再度開いてください。多発する場合は GioLine pro を終了し、PCの再起動後に開き直してください


使い方のヒント

特殊結線をシンボルとして図面上に配置したい時は、杭を「非表示」に、辺長・方向角各表示のチェックを外し、線色は黒以外、線種は実線、線幅は大きめに設定すると画面上で確認しやすくなります。
上記の設定でも、特殊結線は連続結線と同じなので、測量計算で視準点に指定することができます。
また、上記の設定は[結線]の[訂正]で変更可能です。


登録図形リスト

サンプルページ

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